2016年01月11日

「零戦燃ゆ」柳田邦男著

柳田邦男の「零式戦闘機」は零戦の技術論で大変おもしろく読みました。「零戦燃ゆ」はその零戦の大東亜戦争での運用(つまり太平洋戦争の経過)を扱った著作で文庫本6冊に及ぶ大部の作品です。生き残っている零戦乗りの貴重なインタビューを含む力作です。約半分まで読みましたが、読んでいて辛くなりました。初めは日本陸海軍中枢の無能無策ぶりに腹が立ちましたが、だんだん、米国の戦争を起こし相手を徹底的に叩き潰す性質・能力がおぞましくなってきました。元はといえば日露戦争で予想外に勝ち、中国での権益を伸ばしつつある日本を潰したくてうずうずしていたのは米国です。その上で、あれだけの軍備を備えて戦争したら、馬鹿でも勝てるよというのが今のところの私の感想です。一方軍中枢が無能無策だったとはいえ、日本軍末端の兵士は絶望的な負けいくさをよく戦ったのです。しかし国・軍中枢にしても過酷な軍備縮小条約やハル・ノートを一方的に押し付けられて、当時他にどんな選択肢があったのでしょう?とりあえず今日は新年初の"毒"を撒いて終わります。「零戦燃ゆ」を全編読み終えたらまた書きます。
posted by gomeisa at 21:11| 読書