2013年07月30日

火星の人類学者

中井久夫の最近のエッセイに、まだ疾患も知られていなかった頃のジル症候群の患者を診た話があり、トゥレット症候群の外科医が収録されているオリヴァー・サックス著「火星の人類学者」を読む。今更オリヴァー・サックスを読むとは思っていなかったが、また読むと改めて脳は深いと思う。各章はどれも印象深いが、中でも巨大髄膜腫によって視力と記憶能力を失った「最後のヒッピー」は切ない。ちなみにジル・ド・ラ・トゥレット症候群は知らずに汚い言葉を喋ってしまう汚言症コプロラリアとチックを特徴とする神経疾患。はからずも中井先生が処方したハロペリドールが著効する。
posted by gomeisa at 09:21| 読書