「福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」をさっそく1/3程読みました。官邸が異例なほどアクシデント・マネジメントに関与したのは、官邸が福島第一原発事故に対して深刻な危機感を初めから強く持っていたのに加え、東電/保安院に対する不信感、さらに菅首相のトップダウンを好む性格もあったこと。電源車の手配、足りないバッテリーのサイズ確認、海水注入の是非とか、本来担当者に任せるべき事柄にまで首相自らが関与した結果却って混乱を招いた(マイクロマネージメント)のも事実だが、15日未明2号機の爆発を前に撤退を打診した東電に対し、あり得ないと拒絶した事、情報伝達が機能していなかった現状に業を煮やして東電本社内に細野補佐官を常駐させ対策統合本部を設置し、官邸と東電の情報伝達をスムースにした事などは評価するべきとしています。
泥縄的場当たり的とはいえ原発事故収拾に奔走した政治家に比べて、原発の監督官庁である経産省原子力安全・保安院の存在意義は限りなく薄い。未曾有の事故に対して対処する人材/能力も気概もなかったのには呆れるばかりです。現場で情報収集すべき保安検査官8人は早々と12日5時までには福島第一原発から退避する始末(4人の保安検査官は13日朝に一度海江田経産相の指示により福島第一の現場に戻っているが、翌14日の午後5時頃には再び退避してしまった)。事務局長の寺坂保安院長及び事務局次長の平岡保安院次長は元々原子力の専門家ではなかったというのにも驚いた。官僚ならせめて議事録を作るくらいは得意だろうに、それさえもしなかったのは何故。
最悪のシナリオ(米国が最も恐れていたのも)は使用済み核燃料プールの冷却水が干上がり膨大な核物質が飛散してしまうことだったが、それを免れたのは神に感謝すべきか。続きはまた後程。[原発事故]
posted by gomeisa at 00:58|
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